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副業 労働保険の壁

総務省の2017年の調査では、複数の職場で雇われている人は約128万人で、10年前より約25%増えている。
雇用者50人に1人は掛け持ちをしている。
人手不足や所得の底上げのために副業は増加傾向にある。
就業規則にも「副業」を容認するものが増えてきた。

しかし、労災保険や雇用保険の側面からみると不利な側面が多い。
・労災保険は、被災した会社から受ける賃金のみで平均賃金を算定することになります。
①本業のA社から副業のB社へ移動している時の事故が起きた場合
→B社で起きた事故として労災保険の適用を受ける。給付基礎日額の算定はB社で受け取っている賃金を基に行われる。
②副業のB社から本業のA社へ移動している時に事故が起きた場合
→A社で起きた事故として労災保険の適用を受ける。給付基礎日額の算定はA社で受け取っている賃金を基に行われる

具体的には、A社で月15万円、B社で5万円。月収20万円の人がB社で仕事中にけがをして休むことになれば、当然A社も休む。だが、労災保険の給付はB社の給料に基づいた労災給付のみです。A社の給料は労災保険の給付対象になりません。

③A社で260時間勤務
→過労死ライン100時間を超えるため労災認定基準を満たす
④A社で160時間、B社で100時間の合計260時間勤務
→A社、B社とも過労死ライン100時間を超えていないため労災認定基準を満たさない

・雇用保険は、1社に続けて31日以上雇われ、週20時間以上働く人が加入することができる。
このため、A社で週15時間、B社で週10時間働く人は合計で週25時間働くが、いずれも単独では週20時間に満たないため雇用保険に加入することができず、失業しても給付金が受け取れない。

このように、政府は副業を推奨するが労働保険の整備ができていません。
このような未成熟な制度は社会保険にも散見できます。
政府は、いまだに「仏作って魂入れず」が多いのが残念です。

向田社会保険労務士事務所 建設業あゆみ一人親方組合 労働保険事務組合ゆとり創造協会