事務所ニュース6月号
「36協定」に健康確保措置の規定を提議
「働き方改革」の実行計画に基づき、時間外労働の上限規制などの詳細な取り扱いに関する議論が開始されました。
36協定により時間外労働の限度時間(月45時間、年360時間)を超えて延長する特例を導入する場合は、①特例による延長時間をできるだけ短くする(努力義務)②特例に係る割増賃金率を法定基準を越える率とする(努力義務)③特例の場合に実施する健康・福祉確保措置の内容の例示④労働時間を延長する必要がある業務の区分を細分化する。
このうち、健康・福祉確保措置については、限度時間を越えて労働した労働者に講じる健康確保措置を定めなければならない。
健康診断の受診は労働時間になるか
健康診断の種類には一般健康診断と特殊健康診断があります。
一般健康診断には定期健康診断と雇入時の健康診断があり、有害物質を取り扱う業務の従事者には特殊健康診断を受診することになります。
一般健康診断は、労働者の一般的な健康の確保を図ることを目的としている。
特殊健康診断は、事業の遂行に絡んで実施されるもので所定労働時間内におこなわれることを原則としている。
このことから、特殊健康診断は労働時間であるため賃金の支払いが義務となります。一般健康診断は、所定労働時間内または所定労働時間外や所定休日に受診した場合には賃金を支払うことが望ましいとされています。
健康診断の費用については、通達では「当然に、事業主が負担するべきもの」とされています。
ただし、使用者が指定した医師ではなく、労働者が自ら選択した他の医師による健康診断を受診する場合は、受診時間は使用者の指揮命令にある時間とはいえないので、使用者はその時間の賃金及び受診費用も負担しなくてもよい。
労使合意に基づく社会保険の適用拡大
平成29年4月1日から被保険者数が500人以下の企業に勤務するパート労働者を次の①~④の要件のすべてを満たす人は被保険者となることができるようになりました。
①1週間の所定労働時間が20時間以上であること
②1カ月の所定内賃金が月額88,000円以上であること(残業代、通勤手当を含まない)
③雇用期間が1年以上見込まれること
④学生でないこと
労使の合意があれば適用が可能になります。
参照
https://anzen.cc/wp/wp-content/uploads/2017/05/zimushonews2905.pdf