法定福利費の内訳明示とは
- 中小事業主労災保険脱退、その他
法定福利費を内訳明示した見積書
法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)とは、下請企業が元請企業(直近上位の注文者)に対して提出している見積書を従来の総額によるものではなく、その中に含まれる法定福利費を内訳として明示したもので、これを活用することにより、社会保険等の加入に必要な金額をしっかりと確保できるようにしていこうとするためのものです。
わかりやすく言えば、従来は、工事費または経費などのなかに法定福利費として健康保険料「介護保険料含む」、厚生年金保険料「児童手当拠出 金含む」、雇用保険料を総額として見積書を作成していた。
この総額による見積書ではなく、法定福利費を内訳明示して見積金額 を計上することです。
元請負人がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減したり、労務費そのものや請負金額を構成する他の費用(材料費、労務費、その他経費など)で減額調整を行うなど、実質的に法定福利費相当額を賄うことができない金額で建設工事の請負契約を締結し、その結果「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設 業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがあります。
建設業法第19条の3の「通常必要と認められる原価」とは、当該工事の施 工地域において当該工事を施工するために一般的に必要と認められる価格(直 接工事費、共通仮設費及び現場管理費よりなる間接工事費、一般管理費(利潤 相当額は含まない。)の合計額)をいい、具体的には、受注者の実行予算や下 請先、資材業者等との取引状況、さらには当該施工区域における同種工事の請負代金額の実例等により判断することとなる。